Aus Musicからリリースされた“Just”が世界的なヒットとなり、一躍シーンの寵児となったマット・マクブライアーとアンディ・ファーガソンによるデュオ:バイセップがNinja Tuneからデビュー。

ハウスやテクノ、エレクトロ、そしてエクスペリメンタルミュージックに至るまで、様々なサウンドを俯瞰し横断した楽曲はフロアでの確かな機能性を感じさせる。それは多くの先達・名曲たちが作り上げてきたダンスミュージックの歴史へのリスペクトあればこそだろうが、それらを換骨奪胎するコラージュ/パッチワークのセンスはあくまで現代的。

デュオとして活躍する以前より収集したレコードをブログで紹介していたそうで、そこで培われた知識も手伝ったのかもしれない。白眉はやはり“Aura”で、ドラマチックでメロディアスなシンセとテッキーなビートが融合したこの曲は本作の末尾を飾るにふさわしい。

bicep
BICEP
『Bicep』

Ninja Tune / Beat Records