アメリカのラウド/メタル系メディア「Loudwire」が公開した動画が話題を呼んでいる。

この動画はオウムやイヌ、ネコ、ロボットなど、人間以外のメンバーが演奏したり歌ったりする風変わりなバンド8組をまとめたもの。

オウム、インコの一種であるヨウムのWaldoがボーカルを担当するHatebeakはデスメタル〜グラインド・コア系バンド。

2004年に活動をスタートし、一時は解散したが2015年に活動を再開。
オウムの身体に負担がかかるとの理由でライヴは行わない方針だそうだが、昨年Reptilian Recordsから最新アルバムをリリース(そのサウンドはSoundCloudで視聴可能)。

同レーベルのCEO、Chris Xも最初は鳥がボーカルを務めるというアイディアに懐疑的だったが、批評家からの評判やアルバムの売れ行きも上々だとか。

一方CaninusはBasilとBudgie、2匹のイヌがツインボーカルを担当するデスグラインドバンドだった(2011年にボーカルのBasilが死去し解散、2016年に入りBudgieもこの世を去っている)。

彼らはNYのバンド:Most Precious Bloodのサイドプロジェクトとしてスタート。
2匹のバンド入りのきっかけは、保健所で殺処分されそうになっていたのをほかのメンバーが引き取ったことからとか。

ちなみに彼らは前述のHatebeakと共同でレコードをリリースしたことも(コラボではない)。

Z-MACHINESは78本の指でギターを弾くMACH、22本の腕でドラムを叩くASHURA、そしてレーザービームを放ちシンセサイザーやキーボードを演奏するCOSMOの3体からなるロボット・バンド。

鬼才スクエアプッシャーとコラボしたアルバム「Music for Robots」で知られており、彼はZ-MACHINESについて

「特に興味深いのは、ギターやドラムといったポピュラーな楽器を新鮮な目で見ることができるところ。
これまでその楽器では作れなかった音楽を作れるんだ。

例えば、人間の手では弾き続けることが不可能なスピードで長時間弾き続けたり、人間の手ではカバーできないコードだったりね」

と評している。

このロボットバンドは元々アルコール飲料ZIMAのキャンペーンとして作られたもの。
音楽の進化を目指し、新たな楽器として考案されたそうで、人類には不可能な高度な演奏によって紡がれるサウンドは新たな領域へと導いた。

動画ではほかにも5組のバンドが紹介されている。
それらすべてが成功しているとは言い難いものの、音楽は人間だけのものという固定観念から自由になれる、興味深い動画になっている。