アイルランドの音楽賞:マーキュリー・プライズにも輝いたアントニー・ヘガティ率いるアントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ。

トランスジェンダーであるアントニーが新たな女性としての名義:アノーニとしてアルバム「HOPELESSNESS」をリリースした。

今作をプロデュースし、彼女の歌声をより魅力的なものへと導いた2つの才能。
それはハドソン・モホークワンオートリックス・ポイント・ネヴァー

彼女に引けをとらない豊かな才能を有するこの2人を、ここではアノーニの言葉を交え紹介していこう。

HUDSON MOHAWKE
グラスゴー発・LAビートシーンの旗手

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「ハドソン・モホークはカニエ・ウエストをはじめ、数多くのアーティストたちとコラボしてる、本当に才能のあるミュージシャンよね。
彼はすごく高揚感のある素晴らしいトラックを作り上げる。

今回、彼のレコードで歌ってほしいって音源が送られてきたの。全部で7曲ぐらいあったかな。
そこから音源を選ぶように言われたんだけど、私は歌詞とボーカルを7曲全てに書いたわ。

そして“この中から好きなものを1曲選んで。あとの6曲は私のレコードに使わせてもらうわよ!”って言ったの(笑)。
それが彼とのコラボが始まったきっかけよ」
(ANOHNI)

Oneohtrix Point Never
エクスペリメンタル・ミュージックシーンの核弾頭

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「私は長年彼の作品と美学の大ファンで、2011年に彼が私の曲をリミックスし、翌年にはシングルを作ったりしていたの。

彼は人としてもすごく優しくて面白く、考え方も素晴らしい。そして、サウンドも複雑でありながら本当に美しいわ。

私にとって彼との仕事は、これまでとは全然異なる冒険だった。
普通、曲はひとりで書くんだけど、今回はいろいろなプロデューサーが曲を書いてくれて、私がボーカルを加えていくというプロセスだったんだけど、その分シンガーとして集中できた。

それが私のボーカルに自由を与えてくれたと思うわ」
(ANOHNI)

HUDSON MOHAWKE
ハドソン・モホーク
スコットランドはグラスゴー出身のDJ・プロデューサー。2009年、デビュー作「Butter」が大ヒットし一躍話題に。その後、カニエ・ウエスト率いるレーベルGOOD Musicと契約し、メジャーを含む数多くのアーティストとコラボする傍ら、TNGHTとしても活躍。昨年6年ぶりとなるアルバム「Lantern」をリリース。
Oneohtrix Point Never
ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー
NY、ブルックリンを拠点に活動するダニエル・ロパティンのソロプロジェクト。通称OPN。ノイズやアンビエント、エレクトロニカなど様々な音楽性を加味した実験的なサウンドは絶えず大きな話題を呼び、音楽シーンのみならず現代アートや映画、様々な分野から注目を集めている。昨年は新作「Garden of Delete」を発表。
ANOHNI
アノーニ
アントニー・ヘガティとしてバンド:アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズを率い、2003年ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードのアルバムや世界ツアーに参加し注目を集める。2005年リリースのセカンドアルバム「I Am a Bird Now」が大ヒットし、UK/アイルランドで最も権威のある音楽賞マーキュリー・プライズをはじめ様々な賞を受賞。プロデューサーにハドソン・モホーク、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーを迎えた最新作『HOPELESSNESS』はアノーニに改名後初のアルバムとなる。

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ANOHNI
『HOPELESSNESS』

Rough Trade / Hostess
http://anohni.com