そんな記念すべき日を迎えるにあたり、ここ数日はクラブ、そしてナイトカルチャーの未来に向け都内でも様々な催しが開催されていた。

施行日の前々日、6月21日には風営法改正までの歩みを記した「ルポ風営法改正 踊れる国のつくりかた」の著者である朝日新聞社の神庭亮介氏と「クラブとクラブカルチャーを守る会」のZeebra、そして法改正に向け尽力している齋藤貴弘弁護士の三者によるトークセッション『ナイトカルチャーが引き出すTOKYOの魅力 ~6・23風営法改正で何が変わるか~』が開催された。

そこでは風営法改正までの一連の流れ、いかに改正へと向かったのかを振り返りつつ未来へと繋ぐ、様々なテーマを集まったお客さんとともに考えあった。

イベントでは数あるテーマが議論されたがとりわけ印象的だったのが、ナイトメイヤーと法改正によって何が変わるのかという点。

NIGHT-MAYOR-SUMMIT

前者に関して言えば、世界28都市の代表がオランダのアムステルダムに集まり今年初めて開催された『NIGHT MAYOR SUMMIT 2016』にアジアで唯一参加しスピーチを行ったZeebraがそのときの模様と世界の現状について語った。

日本で展開された法改正へのアプローチは世界からも賞賛されたというのはなんとも嬉しい話だったが、興味深かったのはその後。
ナイトメイヤー(夜の市長)を中心とした各都市のアクティビティだ。

NIGHT MAYOR SUMMIT02

インドではイベントに20万人を集めその収益を子どもの学費にあてるといった社会貢献をしていたり、一方サンフランシスコではクラブのまわりに家を建てる際にはその持ち主が防音せよという、なんともクラブライクなアドバンテージがあると同時に、近隣にはアーティストをはじめとする関係者を住まわせ、住環境の面でもしっかりとケアをするといった都市計画についての話など、興味深い各国の現状を提示。

今、世界はクラブ及びナイトカルチャーをひとつのコンテンツとして、文化、社会、観光、あらゆる側面を鑑みしっかりと考えられているのだ。

またその一端として、例えばリオでは都市開発の10か条の中に“街はミステリアスさを持っていないといけない”という取り決めがあること、はたまたベルリンは街としては貧しいが世界一セクシーな街であると謳っていたりと、各地で独自の街作り、それもナイトカルチャーとともに歩んでいる。
日本もぜひそうなって欲しいところだ。

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