今年も行ってきましたバルセロナ! 最先端音楽とメディア・アートの祭典『Sónar』に潜入。
音楽パフォーマンス、アート・インスタレーションやワークショップ、フィルム上映までも包括した本フェスは、さまざまな分野の最新モードを体験できる。なかでもメインとなる音楽は、“ADVANCED MUSIC”をコンセプトに掲げているだけあって、時代性を反映した旬なラインアップが勢揃い。

総勢150 組以上のアーティストの中から、特に印象が強かったアクトを本誌の独断と偏見で7組選出した。
数々のドラマを生んだ最先端音楽とメディアアートの祭典、そのハイライトをお届けします。

 

 

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1| CHIC feat Nile Rodgers
ハイライト第一位に輝いたのは
パーティ感満載のファンクおじさん

本誌がベストアクトに選んだのはこの人=ナイル・ロジャース!
とにかくパーティ感がスゴい!“Freak Out”や“Good Times”といったご機嫌なパーティ・チューンから“Let’s Dance”のようなディスコ・ナンバーまで、黒光りしたファンク・グルーヴでフロアを揺らしまくる。
フロアの後方から見たオーディエンスの波は、まさに圧巻! みんなすんごい踊ってました。
フィーチャリング・ボーカルやバンドメンバーが入り乱れ一時は、ステージ上に20人以上の演者が集まりお祭り騒ぎ。
もちろんハイライトは、ダフト・パンクとのコラボ曲“Get Lucky”!

 

 

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2| Despacio
7つの巨大スピーカーに囲まれた
Despacioとはいったい?

名門レーベルDFAの頭領:ジェームス・マーフィと2manydjsの2組が、アメリカの老舗オーディオ・メーカー:McIntoshとタッグを組んだプロジェクト:DESPACIO。
見るからにアナログな7つの巨大なスピーカーを円形に配置してフロアを囲み、中央にめがけて集中放射。
ジェームス・マーフィと2manydjsの3人がバイナルのみを使用して、自身のルーツ(ソウルワックスやLCDの楽曲なんかもプレイ)から現在までを表現する6時間のロングセットを披露した。しかも3日間も!
どこを向いてもスピーカーがあり、どこにいてもサウンドに包まれる新感覚。

 

 

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3| Massive Attack
マッシヴ・アタックが魅せた新境地
最新ライヴセットの凄み

暗闇のステージに一筋の青い光が照らされる。その先にロバート・デル・ナジャの姿が浮かび上がると客席からは大きな歓声が上がった。
間髪いれずに爆音で鳴らされた“ Battlebox”。のっけからのダンスチューンに観衆は一時は驚き、すぐさま熱狂のダンスフロアへと変貌した。開始30秒で『Sónar』を飲み込んだ。
続いて“Risingson”から“Paradise Circus”とブリストル・サウンド特有のスモーキーで深淵な音世界を創り上げ “Girl I Love You”では、レゲエ・シンガー:ホレス・アンディによる魂のシャウトで一度ピークを迎える。
そして“Teardrop”から“Angel”と往年の名曲をドロップ。やはりマッシヴ・アタック最高です。

 

 

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4| Daito Manabe
世界のDAITO MANABEによる
パフォーミング・アート炸裂

超一流のみが集う『Sónar』で、あれだけ前衛的なショウを魅せつけたMANABEDAITOのインスタレーションは間違いなくハイライトのひとつだ。
そのショウは、白い衣装を身に纏った3人の女性ダンサーが、戯れ合うかのように踊り舞い、動き回る身体にマッピッングを施したパフォーミングアート。音楽×ダンス×プロジェクション・マッピングが一体になった一大スペクタルは、最先端音楽とメディアアートの祭典『Sónar』の中でも群を抜いた存在感を放っていた。
MANABE DAITOは、間違いなく世界のトップクリエイターだということを証明していた。

 

 

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5| Röyksopp & Robyn
天真爛漫にステージを駆け回る歌姫
とびきりポップにSónarデビュー!

今回の『Sónar』で、会場を一番盛り上げたのは誰か?そう訊かれたら迷わずロイクソップ&ロビンの名をあげるだろう。
ポップネス全開なEDMから鋭いビートが交差するストイックなテクノ・サウンド、さらには生音をベースにした享楽的なハウスミュージックまで、“踊らせる”という事を強く意識したアッパーなセットが功を奏し、彼らがベストアクトだという声も多かった。
今回が世界初ライヴだったにも関わらず完全にオーディエンスをロックしていたのは、ロビンの天真爛漫なステージングも大きかったのだろう。

 

 

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6| Sónar +D
驚きの連発!これぞアートの見本市
まるで大人のオモチャ箱

クリエイティビティ、テクノロジー、イノベーションなど、メディア・アートの最新の進化を楽しむことができる見本市『Sonar + D』。
毎年、実験的なアートが展示されるのだが、今年は作品数が少なかったものの、時代性に合わせた作品や尖ったアートが多かったのが印象的だった。
例えば、近未来的なゴーグルのようなデジタル・グラスをかけると、視界はたちまち森の中にいるかのようになり、木々や鳥が目の前に近づいてくるように立体的に見える最新システム。
その他にも、近未来的にデザインされた円形のタッチパネル式の楽器など、創造性溢れる作品が目立っていた。

 

 

 

 

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7| Off Sonar
なにが起るか解らない!
Off Sonarをチェックせよ!

今年は、『Sónar』本祭の裏で繰り広げられるOff Sonarが尋常じゃなく盛り上がった。
昨年のように、5000人を集めるフリーパーティ『dOTUP』やPoble Espanyolなどで行われるフェスはなかったのだが、Parc Del Forum やビーチでは、連日に渡りアンダーグラウンド系レーベルのショウケースが行われていた。
規模も数十人から数千人クラスまで様々。ときには住宅街の中にあるウェアハウスのような民家(本当に人の家)を改造したような場所で、14時間耐久アフターパーティなども。
会期中は本祭だけでなく、Off Sonarの情報もチェックしよう。